投資余力の全額投入は大損のもと
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株式売買で大損する原因は、高値づかみである。
株価が高いところで買い付けてしまい、買い付け後に下がり始めるから、保有株に含み損ができてしまうわけだ。
ところがこれは直接的な原因であって、他にも大損する原因がある。
それが投資余力の全力投入だ。
投資可能な資金を全部投入して、それで身動きできなくなってしまって大損をする。
株式投資を始めた当初はまだ、おっかなびっくりやっていているが、だんだん慣れてくると刺激が少なくなり、儲けに目がくらんで全力投入という愚を犯してしまう。
ところが投資余力を全部投入すると、儲かるときは儲かるが、損するときは大損してしまう。
株式投資というのは残念ながら、上がるときよりも下がるときの方が多い。
株価はなかなか上がらないが、下がるときはドーッと下がる。
ここまで株価が上がったら利益確定しようと思っても、あと一歩のところでトレンドが変わって下がり始める。
「ついさっきまでプラスだったのに」「ずっと上がり続けていたのに」なんて思っているウチに、みるみる下がり出す。
こういうときに、すぐに持ち株を売り払える人は、恐らく滅多にいないだろう。
というのも、株売買をしている投資家で、どこが頂点なのか分かっている人は一人もいないから。
こういう時に、資金余力を全部投入していたら、身動きが取れなくなってしまう。
そして抱えている含み損を見ながら、何日もため息をつく羽目になってしまう。
3単元分散投資
株式投資で、投資資金を、全額投入するのは、大損につながりやすい。
たとえば投資資金が20万円しかないのに、20万円の株を買い付けたら、あとはもう運を天に任せて、株が上がるのを待つしかない。
ところがそうして買い付けた株・銘柄が、見込み違いで10%ダウンしたとしたら、投資資金がいきなり10%も減ってしまう。
またそこまで値下がりしていなくても、他にもっと良い銘柄が見つかった場合、買い直すには損切りするしかない。
そこで保有株が思ったより上がらず、含み損まで抱えていたら、さっさと乗り換えた方が良いかなと思いだす。
そして動かない保有株を損切りして、別の有望銘柄を買い直すと、不思議なことに買い付けた株の上昇が止まり、逆に見切りをつけた株が上がり出したりする。
そこでまたもう一度最初の株を買い付けたら、やっぱりまた含み損を抱えることになり、また損切りして別の銘柄に乗り換えて…こんな風にあちこちに手を出して損切り貧乏になり、結局資金を減らしてしまうのだ。
一方、投資できる資金を半分に分けて、半分だけ投入していたとすれば、見込み違いで買付金額より10%下がっても、資金全体から見たら5%の損失で済む。
資金を3つに分けて3分の1だけ買い付けていれば、3.4%ほどの損失で済んでしまう。
なので一銘柄に付き、資金の半分までしか投資しないとか、3分の1までしか投資しないという風にして、分散投資しておけば、損切りも3分の1程度で済むわけだ。
3分割投資では、別の銘柄に投資しても良いし、3回に分けて買いに入っても良い。
気になる銘柄が複数あれば、3分の1位ずつ2銘柄だけ買い付けて、残りの3分の1は余力(あるいは試し買い用)として持っておけば良い。
一度に買ったり売ったりするのは、3分の1だけ、と言うルールでも、かなりリスクは小さくできるだろう。