株価が急落、いったいなぜ?
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株式取引をしていると、原因がよく分からないまま突然、株価が急落することがある。
株価の急落の原因は色々あって、普通は業績の悪化や赤字転落など、業績に関連することで急落が起こる。
ただし業績発表と今後の見通しは、年に4回ある決算日に発表されるので、突然急落すると言うことにはならない。
決算発表がらみでの株価の変化というのは、好業績が予想される場合は決算発表日が近づくにつれ、株価は上がっていき、逆の場合は株価が下がっていく。
ただし単なる業績ではなく「企業の存続」に関わるような重要事項が発表されると、株価は急落することが多い。
それが、継続企業前提の疑義注記とか継続企業の前提に関する重要事象というといった注意書きの記載だ。
これは簡単に言うと企業が投資家に対して、「ウチの会社、事業継続が難しくなってきた」…という情報を開示するということだ。
これは「決算短信」という四半期決算報告日の少し前に発表される情報などで発表されたりする。
東京証券取引所では、上場企業に対して、投資家の投資判断に関係ある情報は、適時開示(すぐに発表する)ことを義務づけている。
なので決算短信発表後に新たな事態が発生したら、また別に発表することになっているのだが、これが出るとその企業の株を売買している人の間に、「うわこの株、やばいぞ」ということで売り込まれ、株価が急落するというわけだ。
継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況
東証に上場されている企業は、四半期決算発表に先立ち、決算短信という速報が発表される。
短信では現在の経営状況や財務状況、キャッシュフローなどの状況が比較的コンパクトに発表される。
これによって企業の決算発表が大まかに分かるので、株価のトレンドが急に変わったりする。
なので四半期決算発表前の2週間くらいは、こまめに銘柄別ニュースをチェックしたり、銘柄別の掲示板をチェックしておく必要がある。
そしてもし、「継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況」の記述があったら、すぐにでもその企業の株・銘柄は売って処分すべきだ。
「継続企業の前提に重要な疑義」とは簡単に言うと「ウチの会社、事情を続けることが難しくなってきた」と言う情報の開示だ。
資金繰りが悪化したり、取引先の倒産で売り上げが大幅に減ったなど、「倒産するかも」というふうな情報が発表されれば、株価が急落するのもまあ当たり前の話である。
ただしこの発表には、必ず対応策も併記されており、その対応策がうまく進めば、この記述の削除が発表される。
そうすると株価はまた急激に回復したりして、ボロ株や低位株を中心に売買している個人投資家の人気を集めることになる。
株価が5倍になった、株価が10倍になった、などという大化け株は、たいていこういう「継続企業の前提に重要な疑義あり」企業が、資金繰りのめどがついて復活したような場合が多い。
まあでもたいていは、倒産するんだけどね。