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輸出企業は、為替レートに反応する

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企業の株価が上がったり下がったりする原因は企業それぞれだ。

 

株価というのは投資家の思惑によって決まるので、その企業の業績に大きく関わる要因が、何かと言うことが株価の変動を生む。

 

だからスーパーや学習塾など、日本国内で商売している企業の場合は、為替の変動にはあまり大きな影響を受けないが、海外依存度の大きな企業の場合は、為替変動で大きく株価が揺れ動くことになる。

 

つまりアメリカに商品をたくさん輸出している場合は、円ドル為替レートが大事だし、主な取り引きがヨーロッパ圏相手であれば、円ユーロ為替レートが業績に関係してくるということだ。

 

ということで海外に商品を輸出していたり、海外で事業を展開している企業の株を売買する場合は、つねに為替レートの変動に注意しないといけない。

 

自動車産業ならトヨタやホンダは北米での販売量が多く、ヨーロッパではあまり売れていないので、円ドル為替レートに株価が大きく動く。

 

三菱自動車は東南アジアでの販売量が多いし、スズキなどはインドでの販売量が多いので、こちらも多少は響く。

 

またソニーなどヨーロッパでも商品をたくさん販売している企業では、円ユーロ為替レートが大きく影響する。

 

そしてこういう為替敏感株が、業績がよいのに株価が下がる理由としては、

  • 想定レートよりレートが下がると業績の下方修正が出る可能性がある。

     

  • ドル建て・ユーロ建てで株価を見たときに高くなって利益確定売りが出る。

     

などと言うことが上げられる。

 

特にキャノンやトヨタ自動車、ソニーなどは、ADR証券として、アメリカの株式市場にも上場しているので、円高になると売られて株価が下がることが多い。

 


想定レートで、株の期待度がわかる?

輸出企業というのは、業績予想を発表するときに、「想定レート」というのを発表する。

 

つまり今期(今年度)の業績見通しを作るために、円ドルの為替レートや円ユーロの為替レートを、勝手に想定してそれを元に業績予想を立てるわけだ。

 

なので想定レートは企業によって様々になる。

 

ある企業は1ドル90円にしていたり、ある企業は1ドル85円で計算していたり。

 

これはこれでその企業が為替レートや、業績見込みに対する見方を表していて面白い。

 

想定レートをきつめに設定して、堅実に業績見込みを発表している企業もあれば、業績見通しをよく見せようとして、自社に都合の良い想定レートを出しているようなこともあるのだろう。

 

あるいは機械的に過去3ヶ月の平均レートを元に、算出していると言うこともあるだろう。

 

だけど投資家目線でこれを見ると、想定レートを甘めに設定している企業は、ちょっと危ないかもしれない。

 

なぜかというと想定レートを甘めに設定している企業の場合、それよりも条件がキツくなった場合、赤字に転落する可能性が出てくるからだ。

 

為替レートが円高ドル安、あるいは円高ユーロ安になって定着した場合、たいていの企業の業績予想は「下方修正」されることになる。

 

「下方修正」が出ると大抵の場合、株価は大きく下がるのだけれど、為替レートを甘く設定していた企業の場合は、赤字に転落する可能性も出てくる。

 

円ドルレートで1円円高になるだけで、トヨタなどは350億円ほど利益が下がるというし、円ユーロレートで1円円高が進むと、キャノンなどは40億円ほど利益が減ると言う話だから、10円だけ円高になっただけで、黒字のハズが赤字になる危険性が大きいわけである。

 

実際2010年1月には、1ユーロ=135円前後だったものが、5月には1ユーロ=115円前後になって、20円も円高になっているわけだから、業績悪化懸念が出るのは至極当然のことだ。

 


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