チャートの傾きを山に見立てる
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株式投資では日足チャートを、「山登り」に例えると言うことがよくある。
上昇トレンド中の銘柄のチャートは、右肩上がりになっていて、山を登っているなという感じだから、このたとえはけっこうしっくり来る。
そう言う風に山登りに見立てて日足チャートを眺めると、なだらかな山は下げるときもなだらかになっていることが多い。
なだらかな山は下げもなだらか?
日足チャートの勾配(こうばい=傾きのこと)がなだらかな銘柄は、その銘柄に対する評価がある程度定まっていて、よほどの悪材料でもない限り、暴落するリスクがないと言うことだろう。
「業績が安定していて、ビックリするほど良くなったり悪くなったりしない」ような、手堅い商売をしている企業なのかも知れない。
だから毎日の売買高もさほど変化がなく上がっていく場合は、突然売買高が増えて急騰しない限りは、大きく下げる心配はあまりない。
一方、無風だった株が突然大きく上げ出すと、仕手株になっている危険性もあるので、早めに利益確定の準備をしておく方がいい。
というのも勾配がきつい山は、転がり落ちるのも早いからだ。
日足チャートの上がり方が、急にきつい角度になったら、買い付けるのはかなりリスクが高くなる。
45度以上の勾配は、ドンと落ちる
フラットだった日足チャートが、徐々に勾配が増してくる場合は要注意だ。
勾配が水平でいわゆる「揉み合い状態」の時というのは、その株を売りたい人と買いたい人の数が拮抗している状態だ。
ここで株を売りたい人が売り尽くしてしまうと、需給バランスが買いに傾いて、株価は徐々に上がり出す。
株価というのは、売りたい人と買いたい人のバランスで決まるので、占いといけない事情の人が売り尽くしてしまうと、積極的に買いたい人が残って買い優勢になって、価格がどんどん上がり出すというわけだ。
そして株価が上がりだしたことがほかの投資家に知れると、新たな投資家が「儲け話だ」と思って参戦してくる。
しかし株価が上がっても、既存の株主は積極的に売りたいわけではないので、徐々に売りが出る状態で、株価の上昇率が大きくなる。
新しい参加者は「まだまだ上がる」と考えて買いに入るので、さらに上昇幅が大きくなり上り坂がキツくなる。
これが「過熱」と言った状態で、あとはどこで下げ初め、どう着地するかという心配をしないといけなくなる。
株価の値上がり速度が上がっていく例
だんだん傾斜がきつくなっていく勾配がキツくなっていくと、株価のピークは近く、ローソク足で十字線が出たり、長い陰線が出たら、売る準備をしておいた方が良いだろう。
もちろんこういうチャートの時は、買ってはいけないときである。