短期筋は、上がっている株に集まり、逃げ足も速い
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株価が急上昇した後、急降下するような場合、たいてい、短期筋(たんきすじ)と呼ばれる短期売買主体の投資家が絡んでいる。
短期筋とは、特定の銘柄をほんの数日だけ売買する投資家だ。
どんな投資家が短期筋かというと、デイトレーダーや、ウイークリートレーダーというのは、ほんの数時間、あるいはほんの数日だけ、株を買い付けて持っているだけなので、短期筋の投資家ということになる。
仕手筋(してすじ)も、株価が急騰したら、さっさと売って逃げてしまうので、短期筋だということになるだろう。
短期筋は、株価が上がりそうなところにわーっと集まって、株価が下がりだしたらさっさと利益を確定して、他の株へ資金を移動させる。
これが短期筋の基本的な動き方だから、短期筋がワーッと集まると、ストップ高が続いたり、そのあと大幅下落で大陰線をつけたり、ストップ安になったりする。
基本的には、大陰線が出てしまったら、その株価はしばらく回復しないが、それは短期筋がすでに移動していなくなったからだ。
たとえば日足チャートのロウソク足が、険しい山の形になっていたら、それが短期筋が集まって、散っていった後と思えば良い。
短期筋が集まって離散した日足チャートの例
このチャートだと、ほんの2~3日だけ集まって、すぐに散っていった感じだが、1週間以上、一所に集まっている場合もある。
売り禁・増し担で、爆上げ相場は終わり?
短期筋というのは、ほんの短期間だけ、株を売買して利益を出す投資家だ。
買い付けなら、上がりだした株を買い付け、下がりだしたらさっさと売っていなくなる。
その企業の将来性や業績などには関心が無く、上がるか下がるかだけでポジションを取る。
なのでその株が何連騰していようが、なぜ上がっているかなどはどうでもよく、株価が上がり始めたら買い付けて、株価が下がり始めたら、さっさと決済していなくなる。
我々、一般の零細投資家だと、「まだ上がるかも」「また上がるかも」などと回復に期待して、株価がどんどん下がり始めても売り損なってしまうが、彼らは下がり始めたらもうダメだとわかっているので、さっさと利益確定・損切りして、次のチャンスを探す。
では、どういうときに彼らは諦めて利益確定するかというと、どうやら信用取引規制がかかった時らしい。
たとえば取引が過熱したら、東証は「日々公表銘柄」という警告を出す。
日々公表銘柄というのは、売買取引が急激に増えたとき、一週間に一度しか発表しない信用買い残・信用売り残の情報を、毎日発表するということで、これが出てもダメなら、次は「増し担保規制」というのが出される。
増し担(ましたん)というのは、信用売買する際に必要な保証金率を引き上げるという措置で、普段は30%の保証金(担保)で良かったのが、50%に引き上げられる。
つまり資金の3倍までが限度だったのが、2倍になってしまうわけだ。
増し担保規制がかかると、売買できる株数が減ってしまうので、短期筋はさっさと手じまいして、他の銘柄に資金を移し始める。
そのため、株価はドーッと下がってしまう。
また貸株注意喚起・新規売り停止の場合も、その銘柄では空売りができなくなってしまうので、さっさと手じまいして、資金を引き揚げる事が多い。
「売り禁に買い無し」などといって、空売りができなくなると、資金を回転させられなくなるので、短期筋がどんどん逃げて行ってしまうかららしい。
こうして「お祭り」が終わり、ここで高値づかみした人は、塩漬けか損切りを迫られるわけだね。
売り禁・増し担で大幅下落