機関投資家とは
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日本株(日経平均)は、ドル円の為替レートに反応しやすい。
これは日経平均平均算出に採用されている大企業の多くが、輸出で稼いでいる企業だからだ。
日本の大企業と言えば、トヨタや日産・ホンダなどの自動車メーカーや、ソニーやパナソニックなどの家電メーカー、東芝や日立といった重電などが思い浮かぶ。
これらは海外ビジネスの比率が高いため、ドル円やユーロ円の為替レートで利益が大きく変わる。
また海外で事業展開しているために、海外の投資家から見てもおなじみの企業であるから、ADRやGDRという仕組みを使っても取引されている。
これらの企業に部品を供給している企業も日経平均に採用されていたりするので、やはり影響を受ける。
一方、ソフトバンクやファーストリテイリング(ユニクロ)など、日本国内での売上比率が高い企業は、円安になるとコスト増になって利益が圧迫されてしまう。
そのため円安になると株価は下がる要因になるが、これらは国内での既存店売り上げの増減の方が、株価に大きく響くため、余り問題にされていないのが実情だ。
そして為替レート以上に、株価に大きな影響を与えているのが、「機関投資家」と呼ばれる超大口の投資家の動向だ。
機関投資家というのは、仕事として投資を行っているグループで、次のような組織が機関投資家に分類されている。
機関投資家の例
- 生命保険会社
- 損害保険会社
- 銀行
- 信託銀行
- 投資銀行
- 証券会社
- ヘッジファンド
- バイアウト・ファンド
- 政府系投資ファンド
- 投資ファンド
- 投資顧問会社
- 年金基金
株式取得 5%ルールとは?
機関投資家とは、お金を集めて、それを運用するグループだ。
お金を集めて投資を行い、その利益を利子として分配する。
銀行や郵便貯金にお金を預けると、利子が付くのはお金を運用しているからだ。
銀行や投資会社がお金を運用するのは当然だが、生命保険会社も、損保保険会社も、預かっている保険金を運用して利益を確保している。
というのも、保険会社がお金をそのまま抱えていると、インフレが起こったりして資産が目減りしてしまうからだ。
資金が目減りすると、支払うためのお金も減ってしまうので、預かった資金を目減りさせないために、投資を行っている。
保険会社や公的年金などの機関投資家は、確実に利益が上がるような投資を行おうとうするわけだが、なにせ扱っている資金量がどでかいため、株式市場に大きく影響を与えてしまう。
そのため、5%ルール(大量保有報告制度)というのが定められていて、特定企業の発行株数の5%以上を保有している場合は、直ちに届け出て公表しないといけないことになっている。
というのも有望な株や投資先が見つかったとしても、それらの株を機関投資家が買い集めたり売りさばくと、株価が急激に上がったり下がったりして、個人投資家など他の投資家に不利益をもたらすからだ。
この5%ルールは、大口の機関投資家の足かせになる。
というのも、5%以上の株を買い付けたり売ったりすると、自分たちの手の内をさらすことになってしまうからだ。
そのため機関投資家は、時価総額が100億円以上の企業を選んで、それ以下の企業には投資しないというルールを定めているところも多いらしい。