ファンダメンタル分析は役に立つか?
更新日:
株式投資の本を読むと、投資の参考情報には2通りある。
「テクニカル分析」と「ファンダメンタル分析」というやつだ。
テクニカル分析というのは、日々の株の動きの動向を重要視する投資法で、デイトレードやスイングトレードに適した分析になる。
日足チャートや一目均衡表、そのほかにも様々な分析方法があって、刻々と変わる状況で判断する。
いわば「ミクロ分析」というやつだ。
もう一方の「ファンダメンタル分析」というのは、企業の強さや業績などで現在の株価を評価して考えると言う方法である。
企業のこれまでの歩みや最近の業績、所有資産や配当金額などを元にして、今の株価が妥当かどうか判断するわけで、PERやPBRという指標が有名だ。
PERというのは、「株価収益率」(かぶかしゅうえきりつ)という指標で、
欧米ではPEとかP/Eと言う風に表されるらしい。
一株当たり当期純利益というのは、企業の利益が1株あたりいくらになるのかを計算したもので、PERというのは現在の株価は一株あたりの利益の何倍になっているかという数値になる。
PERが低ければ低いほど、会社が稼ぐ利益に対して株価が割安であると言うことを表し、一般にはPERが14~20より低ければ、お買い得と言うことになるらしい。
PERは利益を分母とするので、株価が一定で利益が増えたらPERの数値は下がるから、株価ももう少し上がるはずだというのが、ファンダメンタル分析的な考え方だと言うことになるね。
ただし赤字の場合は純利益が0になるので、PERというのは「値なし」ということになるので、どんな優良企業でも赤字の期はPERは参考にできない。
このあたりが「あまり役に立たない」点だ。
PBRが低い株は狙い目?
PERと並んで有名な株価指標がPBRというやつだ。
欧米ではPBとかP/Bと表され、「株価純資産倍率」と呼ばれる指標で、株価 ÷ 一株あたり純資産額と言う計算式で算出する。
これはPERより意味が分かりやすい。
というのも「一株あたり純資産額」というのは、企業の資産を株数で割ったものであるから、一株あたりの価値そのものを意味するからだ。
株式というのは元々は企業に投資した証拠であり、利益の分け前をもらう権利(残余利益の分配権)を表すものだから、一株あたりの資産というのは、そのまま最初に投資した資産と言うことになる。
なのでこの数値で現在の株価を割ると、株価が元々の資産と比べてどのくらいに評価されているかが分かるわけである。
もっと簡単に言うと、現時点で会社を解散したときに、資産を全部、株主に返却するとする。
この時に株主が一株あたりで受け取る金額が、一株あたり純資産額と言うことになる。
なのでPBRが1倍より小さい場合、現在の株価は解散したときに、株主に返される金額より低いと言うことになり、「これは割安だ!」と判断されるわけである。
ところがまあ2010年5月の時点での東証一部企業でも、PBRが1未満の企業はなんと900社もある。
東証一部には約1600社の企業が上場しているので、半数以上のなんと56%がPBR一倍割れということになる。
PERで見ても14以下の企業が800社もあるから、外国の投資家が「日本株は買い」だと考えているのも頷ける。
東証の売買の半分くらいは外国からの投資だそうだから、外国の投資家から見て割安の株はチェックしておいた方が良い。