朝起きて、お金が減っていたらどうする?
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株式市場が下降トレンド・ダウントレンドにあると、朝起きて自分の資産状況を確認するたびに、資産が減っていると言うような状況が起きる。
先日のギリシャ・ショック(2010年5月)の時は、日本の企業の決算発表が重なっていて、決算内容や今期の業績予想が悪い企業は、ダブルショックでとんでもなく下げた。
ソニーのように業績が黒字転換し、今期の業績見通しも良好だという発表があっても、円高ユーロ安の影響で毎日5%ずつ株価が下がるというようなことも起こった。
3200円で100株ほど買い付けた株が3000円を切り、2900円も割り2800円前後まで下がった。
つまり32万円で買った株が28万円までさがったわけで、なんと12%もの下げだ。
100株につき4万円も減価したことになる。
これが業績が悪化して今後の見通しも暗いような企業の株なら、当たり前の下げである。
が業績は黒字転換して、今期の見通しも明るい企業の株が1割以上も下がるのが、「下降トレンド中の株式相場」というものだ。
3日連続下がって1日上がって、また3日連続で下げて1日だけちょっと上がる。
このパターンが3週間以上も続いたりする。
2008年のリーマンショックの時など、それが半年も続いたわけだ。
2008年7月の日経平均は1万4千円だったが、それから9ヶ月にわたって下げ続け、11月には1万円を割り込み、日経平均が1万円台に回復するまで、まるまる1年もかかってしまった。
毎朝起きるたびに資産が減っている様な生活に、半年以上耐えられた個人投資家は、少ないだろう。
こういう場合は、何も株を保有し続ける必要はない。
さっさと全部売ってしまって、様子を見た方が精神衛生上も良い。
株は、ガマン比べではない。
株価が下がり始めたらさっさと売る。
これは投資の原則だ。
特に大きく株価が下がる場合、さっさと売って下落が底を打つまで、のんびり待てばよい。
大物投資家はこういう大きな下落があると、「儲けるチャンス」と考えて、底を打つのを楽しみに待っているらしい。
「相場師は下落相場を得意とする」なんていう言葉まである。
彼らは株が下がり始めたと感じると、ドンドン高値だった株を売り込んでゆき、株価が大底に近づいたと思ったら、今度はコツコツ底値株を買い集めていく。
そうして半年後か1年後に、株価が天井を打ったときに、どーっと売ってしまうわけだね。
これならほぼ確実に大きな利益を得ることができる。
底値で買って最高値からちょっと下がったところで、売り抜けるわけだから。
しかし運用できる資金量がでかくて、毎日利益を上げる必要がない場合にしか、こういう売買はできない。
経済の将来性に関してもよく分かっていないと、底値で株を買ったはいいが、そのまま企業が倒産するということも起こりうるわけだから。
こういう投資方法を真似られる人というのは、本当の資産家でないとできないだろう。
あるいは株価が大きく下がるのを、のんびり待っていられるくらい、お金に困っていない投資家でないと。
しかし彼らだって株価が下がり始めたら、さっさと保有株を売るわけだから、零細個人投資家だって下がり始めた株を、保有し続けなければならない理由はない。
株は別にガマン比べではないのだから、下がりだしたらさっさと手放せば良いだけの話なんだね。