信用倍率は、株価を占う材料!
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信用取引を始めるには、信用取引口座を開く必要がある。
この信用取引口座を開くには、証券会社ごとに様々な条件がある。
大手証券会社などでは数百万円以上の金融資産を持っていないと無理だが、ネット証券ではもっと少なくても口座が開ける。
たとえば楽天証券では、100万円以上の金融資産があること、…となっているし、50万円くらいのところもあると聞く。
法律的には30万円以上の保証金を積めば、信用取引を行っても良いことになっているので、この辺の取り決めは証券会社の戦略による。
金融資産というと大げさだが十分な貯金があるか、十分な収入があるか…という意味であって、収入証明書などなどでもおそらくはOKだろう。
まあ、証券会社の口座に、100万円近くのお金を入金すれば、そういうことも必要ないかもしれないが。
なので信用取引口座を開く資格がある場合は、とりあえず申し込むだけ申し込んでおくとよい。
というのも申し込んでから口座が使えるまでには、けっこう時間がかかるから。
「相場も上がっているし、今は必要ない」とか思っていると、あっという間にダウントレンドになって、「失敗した」ということにもなりかねないし。
また信用取引口座を開いて、実際に信用取引売買をしてみないと、信用取引が株価に与える影響が、腑に落ちないというか、ピンとこないだろう。
株価の上昇や下落には、信用取引残高が影響していて、信用取引残高情報が、上昇や下落を示唆することもよくあるのだ。
信用倍率が大きい場合は注意!
信用取引は、株を買い付ける資金を借りて買ったり、株を借りてきてそれを売ったりする取引だ。
資金を借りて株を買うので利子も付くし、資金を返す必要もある。
また株を借りるのにも借り賃が必要で、株の借り手が多い場合は、逆日歩(ぎゃくひぶ)という追加料金も付く。
株を返す期限も、半年に決められている。
そして信用取引の残高が、株価に影響を及ぼす場合がある。
というのも信用取引には反対売買期日というのがあって、その日までに反対売買を行わなければならないからだ。
反対売買とは信用買いをした場合は売り、カラ売りをした場合は買い戻すと言うことで、
- 信用買い(融資)は、将来の売り、
- 空売り(貸株)は、将来の買い
だから信用取引の残高や変化、比率によって、「売りが出る」とか「買いが出る」とか、大まかな予想ができるわけだ。
空売りが可能な株を「貸借銘柄」というが、貸借銘柄では特に、信用倍率が注目される。
信用倍率とは、信用倍率=「信用買い残」÷「信用売り残」 という式で計算される。
信用倍率が1より大きい場合、信用買い残がカラ売り残より多い状態で、潜在的に売り圧力となり株価が下がる原因になるから、買い付けは気をつけた方がよい。
ただし、信用倍率がめちゃくちゃ大きくても、買っても良い銘柄もある。
株価がしばらく右上がりになっている銘柄の場合、下落局面がないのでカラ売りが行われず、分母が極端に小さくなるので、信用倍率が百倍以上、と言うようなこともあるからだ。