踏み上げ相場とは?
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「踏み上げ相場」(ふみあげそうば)と言う言葉をたまに聞くことがある。
踏み上げ相場というのは、信用取引で行われる空売りの残高が積み上がっているときに起こる現象だ。
株式取引には実物の株を売買する「現物取引」と、株を買う資金や株を借りて行う「信用取引」があり、信用取引では通常、手持ち資金の3倍まで借りて、株式取引をすることができる。
これは株式取引を活発化して、市場をスムーズにするという役目があるのだが、この信用取引の残高が積み上がると、株価に影響を及ぼすことがある。
というのも信用取引というのは、お金や株を借りて行う取引なので、借りた金や株を返さないといけないからだ。
たとえば「信用買い」(買い建て)の残高がドンドン積み上がっている様な状態では、将来的に反対売買である「売り戻し」が、近い将来たくさん発生することを意味している。
売り戻しというのは「株が売られる」と言うことだから、買い建てが積み上がると、近いうちに株価が下がる要因になる。
逆に「カラ売り」の残高が積み上がっている状態では、近いうちに株が買われる事を意味する。
先に株を空売りしているので、決済のために、どこかでその株を買い戻さねばならないのだ。
これは潜在的な株価上昇要因であり、株価が切り返して上昇し始めたときには、空売りの決済をする投資家が増え、その分、株が買われることになる。
このとき、株価の上昇速度が速いと、空売りしていた人も慌てて買い戻しに走って、さらに株価が押し上げられるということが起こる。
これが「踏み上げ相場」と呼ばれるモノだ。
信用取引きを知らないと、大損する?
空売りというのは株を借りてきて売り、株が下がったら買い戻すという方法だ。
先に高く売ってから後で安く買い戻す。
これによって利益を取るという方法だ。
この空売りが行われるのは、株価が下落トレンドにあるときだ。
株価が上昇した後に下落し始めたら、空売りのチャンスということになる。
このとき、カラ売りをする投資家が出てきて、株はさらに売られてどんどん下がっていく。
「なぜこんなに株価が下がるんだ?」と思うような暴落が起こる一つの原因は、カラ売りをし始める投資家が増えるからだ。
ただし下落の後に急に株価が上がり出したりすると、空売りしていた投資家は慌てて買い戻し始める。
投資家は「株価が下がる」と思ってカラ売りをするわけだが、予想に反して何か良いニュースが伝わると、株価は反発して急上昇し始め、カラ売りをした投資家は大きな含み損を抱えてしまうからだ。
カラ売りというのは売ったあとに安く株を仕入れられるから儲かるのであって、株価が上がると損をする。
しかもその損は株価が上がれば上がるほど大きくなるので、あわてて「狼狽買い戻し」が起こるわけだ。
現物取引のマイナスは、最大でも株を買うのに使った金を失うだけだが、空売り取引のマイナスは、株が上がれば、それがそのままマイナスになるから、理論上では無限に増えかねない。
なので空売りしている投資家は、株価が切り返して急上昇すると、慌てて株を買い戻すことになるのだが、これがさらに株価を押し上げることになる。
これが「踏み上げ相場」であり、だから株式取引をやるには、信用取引の知識も必要なんだね。
自分は空売りをやらないとしても。