円安=株高、とは限らない
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株価と為替には、相関関係が見られる。
たとえば円安になると株も上がるし、株が上がれば為替も円安に振れる。
なので最近、株を始めた人には、円安=株高だと思っている人も多いかも知れない。
しかし実は、これは現在のトレンドであって、これからも未来永劫、同じ相関関係になるとは限らない。
ということで、日経平均株価と、ドル円の為替レート、そして米国のダウ工業株30種平均(ダウDJI)やS&P400指数の相関関係をグラフ化してみた。
それが次の図だ。
日経平均株価の推移とドル円為替レートの相関
※図をクリックすると、別ウインドウで大きな図が開きます。
この図を見ると、ドル円の為替レート(赤の折れ線)と、日経225平均株価(緑の棒グラフ)の関係は、2005年から2014年までは円安=株高だったが、その前の1997年から2005年までの期間は、円安=株安という関係だったことがわかるね。
ドル円の為替レートよりも、米国のS&P500株価が重要
日経平均とドル円為替レートの関係は、年代によって大きく変わっているらしい。
前述の図を見れば1989年までは円高=株高になっており、1989年から1992年までは円安=株高だ。
さらに1994年から1997までは、円安=株高という相関関係で、1997年から2005年までの期間は、円高=株高という風になっている。
要するに、ドル円の為替レートと日経平均株価は、相関関係はあるモノの、時期によって反対なのだ。
なので安易に円安だから株が上がると思ったら失敗する。
円高=株高になる期間がいつ始まるかわからないし。
それよりも日経平均と相関関係が強いのは、米国の株価指数であるS&P500という指数だ。
S&P500は米国のスタンダード・アンド・プアーズ社が算出しているアメリカの株価指数で、約500社の株価平均だ。
米国のダウ工業株30種平均(DJI)は、わずか30社の平均で、各業種のトップ企業や二番手企業の株価だけで出される指数だが、S&P500は、500社平均の株価だから、ダウ平均よりも米国の株式市場を、より正確に反映している。
このS&P500指数が、90年代末から日経平均に非常によく似た動きをするようになってきた。
90年代後半から、日本の株式市場に、外国の投資家も参加しやすくなったため、こういう風な連動性が生まれたって事らしい。