信用取引情報の読み方
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株を売買しようと思う場合、信用売買の残高も見ておく必要がある。
信用売買というのは資金を借りて株を買ったり、株を借りて売ったり(空売り)する取引で、どれくらいの信用売買が行われているか、定期的に発表されることになっている。
速報値は毎日、確定値は一週間毎で、確定値は週の初めに発表される。
たいてい「板情報」などの情報の下に、その銘柄の信用取引情報が載っている。
この信用取引の残高情報には二種類あって、
- 信用倍率(貸借倍率)
- 日証金速報
信用倍率というのは、買い方と売り方の比率を表したもので、
この信用倍率は証券取引所が、各証券会社に報告を義務づけている、信用売買残高データから計算されているので信頼できる。
信用取引情報(ヤフー・ファイナンスの例)
※「信用買残」は、資金を借りて買われている株の残高※「信用売残」は、空売りされている株の残高。
重要なのは、先週と比べた変化と、バランス。
ただ週一回(火曜日の夕方)にしか更新されないのが玉にキズで、現在の状況はつかめない。
つまり週足データのようなものだと考えればいいだろう。
信用倍率はたいてい1倍より大きい数値になっているが、注目すべきは信用売買の残高が、積み上がっているか減っているかと言うことだ。
またたまに信用倍率が1より小さい場合があるが、これをチャンスと捉えている投資家もいるようだ。
信用倍率が1より小さな0.5などと言った数字だと、潜在的に買い圧力が存在するわけだから、株価が上がる前兆だというわけだね。
日証金速報とは?
信用取引残高情報には「日証金速報」(にっしょうきんそくほう)というのが載っていることもある。
楽天証券の取引きツールのマーケットスピードにも、市況情報のところの板情報(気配値)の真下に、日証金速報値が載っている。
日証金(にっしょうきん)というのは何かというと、「日本証券金融」という会社のことで、信用取引に使う株を貸したり、株を買うためのお金を貸してくれる会社である。
信用取引というのは、株を借りたり株を購入する資金を借りて行うのだが、その株や資金を貸してくれるのが日証金というわけだ。
ただし日証金を使って株を借りたり、株購入資金を借りたりするのは、証券会社内で処理できなかった分になる。
たとえばAという銘柄に「信用買い注文」と「空売り」が入ったとしたら、証券会社内で相殺し、その差をさらに証券会社内で手当てする。
しかし証券会社内で手当てしきれなかった分は、日証金に発注して信用取引の注文を受けるわけである。
日証金では企業などが保有している株式を借り受ける契約をしていて、株式を借りた保有企業に借り賃を支払う仕組みである。
だから空売りをする場合に、証券会社内で貸す株が不足すると、調達コストが増えるので、通常の貸株料に加えて「逆日歩(ぎゃくひぶ)」あるいは「品貸料(しながしりょう)」と呼ばれる費用を払うことになる。
逆日歩が発生すると空売りを維持するコストが増えるので、買い戻し圧力が高くなって株価は上昇しやすくなるという。