為替敏感株とは、為替の変動に反応する株
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為替敏感株(かわせびんかんかぶ)というのは、為替の変動に敏感に反応する株・銘柄のことだ。
円高ドル安になると下がり、円安ドル高になると上がるという株や銘柄のことだと思えば間違いはない。
最近は円ユーロの交換レートに敏感に反応する株・銘柄というのも有名になった。
かつては円ドルの交換レートだけを注目しておれば良かったが最近は円ユーロの交換レートも株価に大きく影響するのだと言うことが知れわたった。
というのも2010年4月に発覚したギリシャ国債のリスク(欧州ソブリン債リスク)で、ユーロが暴落にちかい大幅下落したせいだ。
ソブリン債リスクが発覚する前は、1ユーロ=1.5ドル、1ユーロ=120円くらいだったのだが発覚後は1ユーロ=1.2ドル、1ユーロ=100円くらいになってしまった。
ざっと2~3割下がったと言うことだがそのせいでヨーロッパでの売上比率が大きな企業の株や銘柄、たとえばソニーやキャノンやセイコーエプソンなどと言った銘柄が大幅に下落した。
円高で上がる株、円高で下がる株
為替敏感株には二通りある。
円高になると上がる株と、円高になると下がる株だ。
円高になると上がる株というのは、海外から輸入して日本国内でモノを売っている産業になる。
たとえば
- 石油・石炭製品
- パルプ・紙
- 電気・ガス業
逆に円高になると下がる株というのは、海外での売上比率が多くて、海外で儲けている産業になる。
セクターで言うと
- 電機機器(ソニー・パナソニックなど)
- 輸送用機器(トヨタ・ホンダなど)
- 精密機械(キャノンなど)
こういう企業の場合為替レートが1円だけ円高になると、営業利益が数億円から数十億円も悪化する計算になると言う。
もちろん決算の度にドルやユーロを、日本円に換えるわけではないのだが決算としては円に換えた金額で出すものだから株主配当にも響く。
なので上場企業が発表する業績予想では、想定為替レートというのを決めて、それに基づいて営業利益の予想を出しているわけだが想定為替レートよりも円高になると、営業利益が大幅に減ると言うことになってしまう。
なのでこういう株・銘柄は、毎日の為替の変動でかなり動くというわけだ。