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先物先導で株価が下がる?

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先物取引(さきものとりひき)というのは、数日後、あるいは数週間後の決まった日に、商品を売買する約束をする取引だ。

 

たとえば来月末に牛肉1トンを1億円で買うと約束し、来月末の期日までにこの取引を終了させる。

 

これによって来月末に牛肉が必要な業者は、牛肉を確保することができるし、牛肉を売る業者も、買い手を確保することができる。

 

来月末の牛肉の価格が上がっていようと下がっていようと、最初に契約した価格で約束の商品が引き渡される。

 

小麦だとか石油などの商品も、先物取引市場(相場)で売買されている。

 

商品先物取引市場というのは、簡単に言うと大量に商品を売買する常連大口の取引予約市場ってことだ。

 

ただし取引を円滑に行うため、実際に商品を売買しない参加者も、利ざやを狙ってたくさん参加している。

 

この先物取引で決まった価格は、現在の商品取引にも影響を及ぼす。

 

たとえば先物価格が現在価格より安ければ、買い手は買い控えるから、現在の商品価格もジワジワ下がる。

 

逆に先物価格が高くなれば、買い手は、安い今のうちに買おうとするから、現在の商品価格もジワジワ上がっていく。

 

そうして先物価格と現在価格が、お互いに近づいていくわけだね。

 

これと同じ事が、日経平均株価と、日経平均先物との間でも起こる。

 

日経平均先物が下がれば、現在の日経平均も下がりやすいし、日経平均先物が上がれば、現在の日経平均も上がりやすい。

 

これを「先物先導で株価が動く」等という。

 


SQ値と裁定取引

日経平均先物というのは、毎月第二週の最終日を期限(満期)とする取引だ。

 

期限日の日経225銘柄の寄りつき価格の平均を「SQ値(えすきゅーち)」というが、このSQ値を元にした金額で決済される。

 

3月・6月・9月・12月は、3ヶ月モノの先物の満期で、特に売買が盛んで「メジャーSQ」と呼ばれる。

 

たとえば先物を、1万3,000円で買い建てして、満期日のSQ値が1万5,000だったら、差し引き2,000円の儲けだ。

 

逆に、1万3,000円で売り建てしていたら、2,000円の損、ということになる。

 

もちろん必ずしも満期日に決済する必要は無くて、満期日までのどこかで反対売買をすればよい。

 

さて、日経平均先物は現物株を売買しているのではなく、「指数」を使った売買(インデックスファンド)なので、実際に株を売買するというわけではない。

 

商品先物には、取引される実物が存在するが、日経平均先物は、実際に株が売買されるわけではないのだ。

 

ところが実際に株を売買していないのにもかかわらず、先物価格が、実際の株価に影響を及ぼす。

 

というのも、先物価格と日経平均の間に差ができたとき、高い方を売って、安い方を買えば、差額が儲けられるからだ。

 

先物が日経平均より高くなれば、先物を売って、替わりに日経平均225銘柄を買えば、その差が儲かる。

 

逆に先物が日経平均より低くなれば、先物を買って、225銘柄を売れば、その差が儲かる。

 

225銘柄を全部買うなんて、大変な資金が必要だから、個人投資家にはできないことだが、機関投資家や証券会社ならできる。

 

こういう風に、同一の商品で同時に反対売買をする取引を「裁定取引(さいていとりひき)」とか「さや取り」と呼ぶが、大口の機関投資家や証券会社は、裁定取引を行って利益を狙うわけだ。

 

その結果、日経平均先物が日経平均より下がれば日経平均225銘柄が売られて株価が下がり、逆の場合は株価が上がるということが起こる。

 

こうして、先物価格と現物の日経平均は、お互いに近づく・連動することになるわけだな。

 


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